モーツアルトの「ドンジョバンニ」を息子と観てきました。既に何度か、メトロポリタンオペラに足を運んだことのある我が息子。でも、今まで観た作品は、クリスマスあたりに毎年行われる、ファミリー向けにリアレンジ(時間短縮、英語版など)された「ヘンゼルとグレーテル」やら「魔笛」。
始まるぞ~
でも今回は事情が違う。。。
「ドン・ジョバンニ」は、どこからどう考えても、R指定のストーリー(笑)。成功か不成功かわからない”夜這い”のシーンで幕が開き、婚約したての若い娘をたぶらかし、女性をものにしては捨てて、そして成り行きとはいえ、殺人まで起こしちゃって、悪気全くなしの主役、ドン・ジョバンニ(しかも彼は裕福な貴族)。なんだか、やけにタイムリーな話?。。。この女たらしぶりは、息子には「ガールズが大好きで、たくさんキスしたいのよ、彼は。」と説明(汗)。
こんな理由で、8歳の男の子を連れていくのは、「?」って気もしますが、このオペラ、本当に面白い筋書だし、大方のオペラが、恋と愛とのメロドラマがお話の中心なのと比べると、やっぱりちょっと違う。1幕目始まった早々の決闘シーン。そして、2幕目のお墓場のシーンで、ジョバンニが1幕目に殺しちゃう騎士団管区長の石像が喋ったり、最後はジョバンニがディナーにやってきた石像に地獄に引きずられちゃうとか、アクションパック(?)で、我が息子がなんとなく好きそうかな~と思い、決定(笑)
チケット購入から当日までは、あらすじはもちろん、カラヤン指揮による、素晴らしいキャストによる(サミュエル・ラミーのジョバンニのカッコイイこと!)ザルツブルグフェスティバルのDVDも2日間かけて見て、予習。なので、余裕をもって字幕を追いつつ、舞台を観ることができました。本人が、楽しんだかどうかは、わかりませんが、確実に話を追って、音楽を聴いて、しっかりパフォーマンスを吸収していたようで、母はもう大満足☺
さて、肝心の本日のパフォーマンスの出来は…
なんて、偉そうなことを言うつもりはないのですが、自分へのメモとして、個人的な感想を書いちゃいます。
今回のジョバンニのIdar Abdrazakov…うーん…存在感としては、いい感じなんだけど、クールだし・・・でもなんか違う。上手いんだけど、面白みがないのかな。この人、数年前にリカルド・ムーティ(♡♡)指揮のアッティラで主役だったけど、特に主役に必要なカリスマ性が感じられなかった。ジョバンニって言えば、カリスマのかたまりのような役・・・物足りないのは当然なのかも。
でもレッポレロのMatthew Roseは結構好きだった!この役って、主役のジョバンニを食っちゃえる、物悲しいけどコミカルな最高の役だわ~。レポレロの大きなアリアは1幕目の超有名「カタログアリア」。温かいBassのサウンドと、なんだか変なところでボス(ジョバンニ)の女性遍歴を自慢をする歌いっぷりが良かったし、全体のコミカルのタイミングがうまい。調べたら、2010年にグラインデボーンフェスティバルで、ニックシャドウを(Rake’s progress)を歌って、大好評を得てる。なるほど、やっぱりお芝居がうまいのね。彼はまだ38歳と若いからこれからが楽しみ。なんと私と誕生日が同じ、5月4日、スターウォーズの日でないですか(笑)。 頑張ってほしいわ。 May the forth be with you….
さて、他のシンガー、は。。。
Donna Anna役のソプラノ Malin Bystromは上手だった。美しく、良いとこのお嬢さんで、でも優柔不断(笑)。彼女はDonna Elviraも別の日に歌ったらしいけど。。。この日のElviraはAmanda Majeski、で、、、ウーン。Elviraはもともとソプラノの役だけど、彼女のアリアは音域が広いし、激しい怒りいっぱいの女性だから、ドラマチックなコロラチューラメゾにも歌われる場合も多い。そんな難役が務まってなかった。残念。フランス人ソプラノNadine Sierraは可愛いツエルリーナ。そのまんまじゃない!って感じで、可愛かったから、また観てみたい(聴いて)。
今回のオペラ鑑賞、大成功に終わりました!
bravo我が息子☺
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