感謝祭の週、丸々1週間お休みで帰宅中の娘と一緒に、プッチーニのマノンレスコーをメトロポリタンオペラで観てきました。
実はこのオペラ「マノン・レスコー」はロンドン在住の独身の頃、遊びに来ていた母と姉とパリのバスティーユオペラ座にわざわざ観に行ったのに、前日の睡眠不足でほとんど寝てた…?ので、ほとんど記憶にない・・・
今回観に行こうと思った理由は、プッチーニは特に好きな作曲家ではないけれど、マリア・カラスとジュゼッペ・ステファノのマノンレスコーを聴いて、生の舞台を(再び)観たくなったのと、若い恋人たちのストーリーは大学2年生の娘には、ウケるかな、、、と。8歳の息子にはとってもつまらない話なことは確かなので(笑)、今回は母娘お出かけ。
思いついたのが、結構ギリギリだったのか、いつもの天井桟敷席も既にシングルシートしかない!ので、月曜日という人気のない曜日を理由に、当日券をトライしました。(オペラ当日券Rushチケットをゲットしよう、を参照にしてください。)
いつものように、12時前にはログインし、準備万端で臨み。。。いつもだったら、折角カートに入れたはずのチケットも、払う段階で、消えちゃうパターンが多いのに、今回はあっという間に取れてしまった。オーケストラ後方席、普段$130のところが、$25!このいわゆるOrchestra Rearの席は、上のParterreの席が天井になって(音は普通上に上がるものなので、この天井のおかげで)、音響は良くない。でも天井桟敷のファミリーサークルよりも安いし、このプロダクション(去年プレミア)は観たことないから、ビジュアル中心を考えて、舞台に近い下の席で、おまけに安価で大満足。
しかし!実は私、大きな勘違いをしていて。。。主役のマノン役は今超人気のソプラノAnna Netrebkoだと思い込んでいたのに、いざ幕が開いたら、ダブルキャストのKristine Opolaisだったのですね~? どうりで、あっさり取れたわけだ(笑)
まあ、彼女はこのプロダクションが去年プレミアした時にマノンを歌っていたし、今月同じくプッチーニの「ラ・ボエーム」の主役、ミミを歌っているので、実力派のプッチーニソプラノ。見た目も美しいし・・・・ちょっと声は地味な感じで、1幕目に18歳の初々さは感じられなかったけど、最後のアメリカの僻地(ニューオリンズの近くの砂漠???何処だ???)で、死んでしまう彼女の最後のアリア「一人寂しく」は、素晴らしかった。因みにマノンレスコーのオペラは、いくつかあって、有名なのはマスネによる「マノン」。プッチーニ版の台本は、彼のお好みの、可哀想なヒロイン&よくわからない異国が舞台となっていて、マスネのマノンは、アメリカに流される前に死んじゃうのです。
私の今回のお目当ては、テノールのMarcelo Avarez。彼のMetでの歌いっぷりは賛否両論なんだけど、私は彼のドラマチック、時によってはわざとらしい感じは、イタリアオペラの神髄のような気がして、結構お気に入り♡ 今回も期待にそったちょっとわざとらしい演技に、彼のリリカルだけど、感情が入るドラマチックさは De Grieux役にぴったり(笑)
殆ど当日に決めたので、娘には大して説明はしてなかったのですが、前の晩はずーっとカラスの録音を流しっぱなしで過ごしました。おまけに間違ったかキャストの説明まで(笑)。
メットの誇る、Anna Netrebkoの歌声はこちら。
でも、この、マノンレスコーのオペラ、自分でも驚いたのだけれど、すごく好きでした。プッチーニのオペラは、イタリアオペラだけれども、ワーグナーの後に作曲されてるので、、ワーグナーの影響がすっごく強い。ドラマを盛り上げるオーケルトレーションと、それぞれのキャラクターのテーマ音楽(ライトモチーフ)があって、そして、そのテーマがまたもや、このオペラだとよりロマンチック&悲哀&若さがあって、なんかツーンときちゃう?
このオペラはプッチーニがまだ30代半ばの若さでかいたもので、その繊細さと、放蕩さ(?)は、題材にあっていて、とっても新鮮。是非また観たいオペラの一つです、でも別のキャストで(笑)。メットの前シーズンに作られたこのセットは本来の18世紀後半から、1940年代ナチス監視下のフランスなので、多少モダン。で、最後の幕の一応ルイジアナでーすのセットは、ますます謎?
娘の方はというと、やっぱりとっても気に入ったらしく、4幕目では涙してました。字幕を追いながら、自分のリアルタイムでの恋愛とだぶらせたり、ああ若いって素晴らしい!(笑)
Metropolitan Opera での公演は11/30, 12/3, 12/7, 12/10 (Anna Netrebkoは前2日、でも Marcelo Avarezは全日♡)のみです。
http://www.metopera.org/Season/2016-17-Season/manon-lescaut-puccini-tickets/
お薦めのCD
結構迷うのですが、個人的には、カラスとディステファノ、セラフィン指揮、スカラ座オーケストラが好みかも。この録音は1957年なので、カラスの絶頂期からちょっと過ぎているし、彼女は舞台ではマノンを歌ったことはないけれど、やっぱり表現力はすごい。ディステファノも明るくてスィートなテノールが若々しいオペラにあっていて、すごく良いわ~
フレーニとドミンゴ、シノーポリ指揮も人気らしい。
DVD:ビジュアル的には、若い恋人とはいい難いけど、ドミンゴとレナータ・スコットの素晴らしさを堪能できるのは、メットの1980年のプロダクション。ドミンゴ若~い!!!これを見ると、いかにドミンゴが素晴らしいかわかるわ~。スコットはちょっとおばちゃんっぽいんだけど、観てるうちに引き込まれてしまった☺
https://www.youtube.com/watch?v=S9DkzrgayHc
最後に、お知らせです。
この記事を読まれて、面白そう!是非メットに行きたい!と思われるNY近郊お住まいの方、11月30日、10:15~12:45にハリソン式部会で、オペラクラスを開催します。初心者向けですが、音楽も、画像も楽しんでいただくので、ご興味ある方は是非ご一報ください!
メイルアドレス: musicalandoperawithkids@gmail.com
または、FBのwww.facebook.com/thebigideaoperaproject
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