- メトロポリタンオペラには珍しい、Verdiのレクイエム。感謝祭の週末からメットの名誉音楽監督、ジェイムズ・レヴァインに率いられ、メットオーケストラとメットコーラスは好評だったが、全体的には生ぬるい批評(酷評もある)で幕を閉じだ。本来ならば、この時期には、故ディミトリ・ホロフトスキーをドンカルロに迎えてのVerdiの「運命」が予定されていたが、バジェットカットを理由にキャンセルされ、代わりにセット無し=低予算のレクイエムがスケジュールされた。
75歳のマエストロ・レヴァイン、パーキンソン病と脊髄損傷のための下半身不随というハンディにもかかわらず、4公演を無事(?)終了。と思いきや、次の瞬間には、まるで崖から突き落とされたような、Awfulなニュースが。
ジェイムズ・レヴァイン、未成年への性的虐待行為疑惑!
ええ???
「ショック?」、「え?知らなかったの?」、「今更なんで騒ぐ?」、「メットではいっつも噂だっだよ。」、「チルドレンコーラスの子たちは、レヴァインと二人っきりになるな!って言われたよ、確か。」などなどニュースと同時に、プロ、アマチュアからの声がソーシャルメディアで続々と出る出る。
と同時に「信じられない!」、「真実じゃない!」という少数派の声。
いろんな新聞で報道されているけれど、読めば読むほど酷い、、、「自分の権威にものを言わせて好き放題」と周囲の声。それを横目で見て、何もいわないどころか、カバーアップしてたメットのお偉いさんたち。
最近のハリウッド、ニュース、政界、、、各界の大物セクハラスキャンダルの一端のようだけれど、ちょっと違う。 どんなビジネスでもパワハラ、セクハラはあって、多くの人が(私も含めて)経験してるけど、今回の件はそれともまた違う。
私の同僚でも、ルーキー時代に、某有名指揮者、監督に「僕のアパートに来ない?」と誘われた舞台監督や、若手シンガーがいますが、ホント、アートの世界、芸能の世界って勘違いが多過ぎる。バーンスタインもそうだったとか、あの人も、この人も、アーティストは、やっぱり、、、ってFBとかで内野も外野も騒いでるけれど
でも…
色々な憶測や、見解があふれているけれど、見てみぬふり、そして最も最低なペドファイルをかくまうなんて。まるでカトリック教会の児童の性的虐待を組織ぐるみでカバーアップしてたと一緒。(映画「スポットライト、世紀のスクープ」を観てください。)
本当に芸術を伝えたくて頑張ってる同志たちなのに…なんだと思ってるんでしょう?
一部では、未成年にアプローチしていたアーティストを、「まるで昔の 魔女狩りのように捕まえていたら、最後には誰もいなくなっちゃうわよ!」という声も上がっている。
それってどうなの??
じゃあ、新しい風で、そんなやつらはみんな吹き飛ばしてやるべき!
だと思うんだけど。
この事件で、メットをボイコットする!という人もいるらしい。でもそれじゃあ、新しい風は爽快にはやってこれないのでは?
こんな状態に陥ってしまったオペラ界をどうやってサポートしていけばいいんのかしら?というのがオペラファンの課題、だと思います。
やるせない気分。
本当に、クリアな気分で、色んな意味で美しい芸術を楽しめる時が来ることを願うばかりです。
*リンクのNYタイムズでは、未だレヴァインは解雇されていませんでしたが、12月3日に彼との契約はすべて一時停止とされました。って、だいたい、なぜに、未だいたんだ?って思うわ。