こんにちは。
メトロポリタンオペラの『I Puritani清教徒』の感想の続きです。
なんだか時間が経ちすぎましたが。。。(-_-;)
たらたらと、①でソプラノのことを書きましたが、今回の公演にどうしても行きたかった理由は、テノールのハビエル・カマレナJavier Camarenaを聴きたかったから。
今聴くべきシンガーその① (独断と偏見=私の好みでの判断です。)
FBでもやたら評判が良いし、批評家もやったらほめてるし。
なので、期待すごーくして、行きました。その前に、CDでまたしても色々なシンガーを聴き比べ。
このオペラ「清教徒」は、テノール泣かせの高音があり(ハイFです。パバロッティはKing of High Cといわれましたね。でもそのもーっと上)もちろん主役は、ソプラノのエルビーラなんだけれど、注目はテノール。
でカマレナさん、メットでのセビリ屋の理髪師でも大人気でした。
かれは、メットでアンコールが許されている、わずか3人のシンガーの中の一人。彼以外は、今はもう亡き、天下のルチアーノ・パバロッティと、現在リリックテノールナンバー1のファン・ディエゴ・フローレス。ってことは、やっぱりすごいんでしょうね。
私の第一印象は、やっぱり声が素晴らしいし、うまい。
でも、このかつらは可哀想でしょう~いくらなんでも。
これは1幕目の A te cara
かれは、高音はもちろんベルカントで大事な中音もすごくよくて、もっと見たくなりました。
で注目の3幕目の必殺高音のアリアCredeasi misera . すばらしいアリアで、最近の聴きこんでます。
3幕目のアリアにあるんですね、この高音。
半分寝てる観客も、このときばかりはみんな必死で耳を傾けています。
最後のクライマックス近くで「いくか~F!?」と思ったら、Cで止まった!?あれ?
もう一度~あれ?また。
でもすごく上手、でやんややんやの大喝采!が、「No F??」と上の方から非難の声が(^^;)。これは超高音のファの音ださんやったかいな~と怒るファンね。あくまでもオプションなので(譜面にはない)*歌う必要はないんだけど、みんなこういう高音は、息を飲んで待っちゃう場合が多いから、歌わないと、コケるんでしょうね。
*訂正:カマレナ君に尋ねる機会がありました。譜面にあるそうです、fの音😅
オペラファンって本当にオタクお。だわ〜と思わせる一瞬でした。
先週金曜日のオペラクラスで、声の話をしました。声のパートは勿論、若いシンガー、今旬のシンガー、ベテランシンガー=リタイアする前に必聴!などのカテゴリーに分けて。
まあ、あーだこーだとお話はしたけど、要するに、歌手にとっては、自分の声に合ったもの以外のレパートリーを歌うと、喉を傷めるし、歌手人生を短くしちゃうってことも多々。声は、年と共に変わってくるから、今歌えない役でも、30代過ぎたら歌える役もあるし。
まあ、これは、シンガーのことを考えた場合。
でも、聴く方からしたら、自分にとって心地のよい声なら、良いわけで。私は、やっぱり、スリルがあるシンガーは好きだわ~。
最近の(特にメットの)傾向は、HDの人気も手伝って、声よりルックスが重視されてて、なんか気に入らない。
その点カマレナ君は、ジョナス・カフマンのようなハンサムではないけれど、すっごく良い感じで好感が持てる。あの、メットのひどいカツラも文句も言わず(たぶん)かぶるのが素晴らしい!(メットの日本公演で、ある黒髪のソプラノDIVAは、ブロンドのカツラを拒否して、大騒ぎになったとか)。
カマレナ君は、そろそろロッシーニのブッファ(コメディオペラ)は卒業しつつあるらしく、セビリ屋の理髪師のアルマビーラ伯爵はもうちょっとパッセージ的につらいから、歌わないそうです。ってことは、チェネレントラの王子様なんだけど、これもいつまで歌うか。
ヨーロッパにお住いの方々、、、厳密にいえば、ミュンヘンですね。バイエルン国立劇場、6月にカマレナ君が「ラ・チェネレントラ」に出ます。是非お見逃しなく!
NYでは、来年まで待たなきゃいけないのですよね。
ロッシーニのオペラセリアの「セミラーミデ」。期待大です!!
そして・・・・
これはオマケですが、講義のために数多くのYouTubeを片っ端から見てるとき、たまたまカマレナ君のコメディーの才能がきらっ✨とひかる映像を見かけました。
セビリ屋の理髪師の第2幕からのシーンで、愛するロジーナに会いたいばかりに、おとぼけ音楽家に扮装したアルマビーラ伯爵と、ドンバジリオのおバカなやり取りなのだけれど。。。。
ちらっとこの声を聞きつけた我が息子、私のコンピュータを乗っ取って見始めました、カマレナ君の声が面白いみたい。
で翌日別のシンガーの同じシーンを見せたら、カマレナ君のほうが面白いって!
わかるんですね~良いものは、子供でも!
さあ!気軽にオペラを楽しんじゃいましょう~♬