皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
既にオペラ通の方々、これからオペラを観てみたいという方、多くのオペラファンの方々と今後の繋がっていきたいと思います。
さて、さっそくですが、2024年に私が観たオペラで、私の中のベストを少し紹介して、25年に観たいと思っている作品をご紹介します。
2024年 Myお気に入りオペラ
24年は実は、体調を大きく崩し、思ったより活動できず、オペラ鑑賞は北米のみ。
そのせいか?際立つ思い出がぱっとでなくて、良いのあったっけ???と考えてしまいました。
写真を見ながら記憶を辿ると、、、あー!24年の1月に観た『カルメン』!
1位:カルメン
あれは、良かった(笑)インパクト!!
元々、特に期待してなかった分、すごいインパクト(笑)。
メトロポリタンオペラの新演出では、オリジナルの舞台、スペインのセビリアから、なんとメキシコとのボーダータウン(テキサス!)のアメリカにうつしてあって、焦点は、女性に対してのDomestic violence(家庭内暴力)。
なんかなー、という冷ややかな思いを覆す、すごい迫力で、本当に良かったです。
すべては、主役カルメンを歌った、アイグル・アクメトチナのナチュラルな解釈が、今回の演出にドンピシャだったのだと思います。
*Aigul Akhmetshinaについて+カルメンの予想は、こちらのページの”番外”のリンクから!
アイグルちゃんの声は、未だ20代なのに、深くてコクがあってとっても魅力的なメゾ。でも何がすごいって、表現力。いかにも、って感じのドラマチックな押しが強いかんじでなくて、現代っ子的な、さらっとしたなかでも解釈ができるのが、すごい。
私が完全に虜になったのは、2幕目の「ジプシーの歌」。いつもなら、フラメンコの手拍子があって、周りの男性の目を引くために歌う歌なんだけど、今回は女性たちが移動のトラックの中で、自分たちの為に歌うという設定。だから、まるで鼻歌を歌うように、アイグルちゃんが歌い始めたのは、良い意味でショッキング!あまりにも自然で、ぐいぐい引き込まれました。
カルメンを愛する超嫉妬深い、そして情緒不安定なホセは、現在メットをしょって立ってる?とも思われるテノール、ピョトール・ベチャワ。 正直、57歳のベチャワに、28歳のアイグルちゃんじゃ、どうよ???と思ったけど(この年齢、、、、親子でしょー。),この年齢差が、余計この二人の不成立さを強調してるようで、妙に納得してしまった。ただ、ベチャワは、ちょっと声的に苦しくなってるのかなー?と思ってしまいました。
実は先読みですが、大晦日ガラの『アイーダ』で、ベチャワはラダメス役役デビューしたんだけれど、体調不良もあって?相当ボロボロだったらしい、、、、。
元々モーツァルトやらを歌っていたリリックテノールなんだけど、特にここ数年ヴェリズモオペラや、ワーグナーも歌い始めて、成功してるんだけど、お疲れなのかしら、、、、
こちらは、また実際に観た後に報告しますね。
2位:ホフマン物語
もうこれは、ベン君こと、バンジャマン・ベルネームの当たり役過ぎ!
ベン君の素晴らしさは、23年夏と、去年春の『ロミオとジュリエット』で、十分わかってたのだけど、ホフマンの屈折したキャラは、ベン君がの表現でよりフランス的なエスプリが表されてて、最高でした。
そして、他キャストも、本当に素晴らしかった。
特に、いわずもがなの、オリンピア役のエリン・モーリと、ジュリエッタ役のクレモンティーヌ・マルゲーヌ💛
オリンピア役は、超高音コロラトゥーラで、拍手大喝采でド派手な場面なので、注目度があるのはわかっていましたが、、、、驚いたのは、ベニスのシーンでのクレモンティーヌ扮するジュリエッタ。コロナ前のカルメン時代より、熟成したクレモンティーヌの声に圧倒されました。
シンガーは、体が楽器で、年齢を重ね体が変化すると、勿論音域も、サウンドも変化があります。同じ歌手か?!?って思うときが、たまーにあるのですが、クレモンティーヌは、もう感動(笑)。
一緒に行った生徒さんも、「彼女誰????」って大騒ぎでした。
ベン君(ホフマン)と、クレモンティーヌ(ジュリエッタ)と他の6重唱は、本当にすばらしくて、舞台もゴージャスで、あー最高の時間でした。
そして、なんと我々が観た回には、アフターシアタートークがあって、舞台にキャストメンバーがずらーっと座り、ゲルブ総支配人がインタビューするという。
元々前から8~10列目ぐらいのお席なのに、人々が去っていく前からどんどん前に移動して(笑)、間近でベン君を見てきました。ミーハー(笑)
3位:いろいろ独断で『運命の力』
うーん、これは難しいんだけど、、、、ベン君とナディーン・シエラの『ロミオとジュリエット』(ベン君は最高、ナディーンがあまりにもアッメリカーンなジュリエットで少し興ざめ)、アスミック・グレゴリアンの『マダムバタフライ』(アスミック最高、でもピンカートンのジョナソン・テットルマンの声張り上げ大会が嫌)も安心して楽しめたけど一長一短。そしてエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーと大好きミヒャエル・ヴォレ他、ワグネリアン歌手をそろえた『影のない女』もよかった(でも皇帝がやっぱり残念だった)
、、、、、でもインパクトを考えると、『運命の力』かなー。
運命の力の超モダン演出は、もうついていくのが必死でしたが、ただただリセ・ダビデセンの声に唖然とした4時間?でした。
ただ、カルロ役のバリトンがいまいちだったり、リセもベルカント歌いじゃないから、Verdiはまだまだ歌いきれてないかなーとも思ったけど、オペラファンからすると、そんな気づきがあるのも、次回彼女が同じ作品を歌うときの成長のバロメターになって楽しみかも。
上演時の感想はこちら
2025年期待オペラ
私の個人的期待は、前回のブログでも書いた1月の『トスカ』。ソンドラ・ラドヴァノスキーを筆頭にキャストが素晴らしい!
そして3月の魔笛。
23年夏に初演されたサイモン・マックバーニー演出のちょっと変わったブラックボックス劇場風の『魔笛。』 (本演出『魔笛』については、こちら)
実は23年は母の手術で急遽、一時帰国せねばならず、私抜きでオペラ観劇クラスの生徒さんだけで行ってもらったんですよね。なので、今年は絶対観たい!
しかも今年のキャストは、前回よりももっと良いモーツァルト歌いが勢揃い❤️
もう一つは、クラスの皆さんも楽しみにしている『セビリアの理髪師』
メトロポリタンオペラはロッシーニの上演機会が圧倒的に少なくて、コロナで中止になった『チェネレントラ』以来のロッシーニ。。。。
ただ、5年もギャップがあくと、ロッシーニを得意としてたシンガーも、もっと重い役を歌い始めて、もうロッシーニは歌わない、、、新しいシンガーが出てくるのですが、その彼らがすべてベルカントに長けているわけでなはく。
先に出た、アイグル・アクメトチナが歌うロジーな役。とっても聴いてみたいけど、ビデオで見る限り、ベルカント??と思ってしまうのは、私だけ?
ヨーロッパ
色々あるけど、今目をつけてるのが、マドリッドのリアル劇場でのVerdiの『Attila』。
大好きソンドラ・ラドヴァノフスキーの役デビュー!😭
このオペラは、Verdi初期作品で、主役のアティラ(フン族の)にバス、ローマ軍の隊長のEzioにバリトン、そしてローマ貴族女性で勇気いっぱいのオダベラがドラマティックコロラトゥーラソプラノ。
とにかくベルカントの美しさと初期のヴェルディの若々しい激しさがタイアップした、血湧き肉踊るエキサイティングな作品です。もちろんそのエキサイティングなものをより高めるためには、最高のキャストが必要なんだけれども。そして低音の魅力を味わいたい人は、必見オペラ。
オッダベラ役は、ナブッコのアビガイッレほどではないけど、ジェットコースター的高音低音がすごい。
大昔に英国のROHで、サミュエル・ラミーAttila、ジョルジオ・ザンカナーロのEzio、オダベラにエリザベス・コネル、そしてその恋人役のフォレスト(テノール)がデニス・オニールという当時最高のキャストを観てから大ファンの作品。
のちのスカラ座版Muti様指揮で、サミュエル・ラミー主役のDVDも勿論ゲット。
去年、?ソンドラはナブッコのアビガイッレ役デビューをキャンセルして、トゥーランドットに集中したような感じだから、これは実現してほしい。
5月のリアル劇場も2日しかなくて、その前にソンドラ+別のキャストで4月にナポリでも上演されるんだけど、キャストに迷う。。。。
4月は、プーチンの崇拝者と言われるイルダー・アブドラザコフが主役。5月はアメリカンバスの、クリスチャン・ヴァン・ホーン。戦争が始まって以来、イルダーはアメリカではご法度になってるから、全く聴いてないけど、彼のすごさがいまいちわかってない私は、ファンではないけど、クリストファーのアッティラにしようかなー、と思ってマドリッドに行きたい!と目論んでいます。
他にもいくつかお薦め・行きたい作品はあるのですが、またの機会に、、、、
2025年第1弾もたらたらと書いてしまいましたが、今年もオペラを一緒に盛り上げてくださる方、大募集です!
宜しくお願いします!
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