さて、2023年もお終い。最後の数日です。
コロナ前は、毎年末、その年観たオペラを振り返り、個人的なベスト9を選んでIGに投稿していました。が、勿論コロナで観れないし、去年はよいのがあったのに、載せるの忘れてた!(笑)
しかし、、、、今年は、目玉作品を逃してしまった気もします。それは、、、、
クラスの皆さんと観に行く新演出の『魔笛』。5,6月は、実家の母の入院があり、日本に急遽一時帰国していたので、私抜きで行ってもらい、結局見れなかった。(今On demandに出てるので、観ますが)、観たかったピーター・マティ主役のドンジョヴァンニも行けず。。。
そうこう言っても、2023年は、アメリカ国内外で、25作品のオペラを観ました。
まあ、数はこなしてるんですよね。
同じ作品で2回観たものもあります。
でも。残念なことに、どれも一長一短で、キャスト全員が素晴らしい!と私が思ったのは、数少なかったです。
1位:推しの出るオペラ❤愛の妙薬
私の2023年のメトロポリタンオペラNo.1は、2022-23シーズンで1月に上演されたドニゼッティの『愛の妙薬』です。
とにかく楽しい💛 主役で私の推しのテノール、ハビエ・カマレナの当たり役!
ハビエは、やっぱりリリックテノールで、ネモリーノのようにちょっと情けない役を歌わせたら、右に出るものいない!って思いました。
そして、インチキドクターのドゥルカマーラ役のアンブロ―ジオ・マエストーリの素晴らしい事!
彼は体が大きいので、現在の演出にありがちな走り回ったり、大きなアクションは無いのだけれど、指一本動かしただけで、もういい加減さが(キャラクターがいい加減)出ていて、面白い。それに彼のイタリア語の美しさ!最高の最高でした。
アディーナ役のGolda Schultsのベルカント初挑戦もなかなかだったし、Belcore役のDavid Lucianoは、ほんとにイタリアオペラを熟知してて、スキがない面白さ。
演出はちょっと昔のリバイバルだけど、とのかく歌も、演技も、アクション(マエストーリはこの個所はパス)もすごくて、オケもすごく良くて、最高な夜でした。
有名なアリア「人知れぬ涙」も、2番で、ハビエがフランス語版のバリエーションを歌ってくれて、それもよかった!最初、え?間違えた??と思って後で、IGで尋ねたら、フランス語版のは、一部メロディが違うって、本人が教えてくれました。
だから推しちゃう(笑)あと、3回ぐらいは観て、幸せな気分になりたかったです。
2位、3位:ワーグナー強し! 『タンホイザー』と『ローエングリン』
メトロポリタンオペラで絶対逃したくない作品は、ワーグナーのオペラ。
元々、作品集が多くないし、上演回数少ないから、Die Hardなワグネリアン(ワーグナーファン)とチケットの争奪戦に勝たなきゃなんですが。
2022-23シーズンは、3月に新演出の『ローエングリン』、2023-24シーズンで数週間前(12月)に『タンホイザー』を観ました。
どちらが良かった?というのは、微妙だし、それぞれ良いところは異なるけれど、私は、キャスト的に『タンホイザー』!
キャストがもう最高でした。
コロナ前のニュルンベルグの指輪のジークフリート役でメットデビューしたアンドレアス・シャガ―が主役のタンホイザー。彼、ジークフリート以来ファンになって、メットの戻ってくるの首を長ーくして待ってました♡
そして、こんな良い人いないでしょーって感じのWolfman役に、ベテランのクリスチャン・ゲーハート。この人の歌い方は、声を全くプッシュしない本当に素晴らしい歌唱で、温厚なWolfmanにピッタリ。そしてエリザベス役のエルザ・ヴェン・デ・ヒーバー。いやあ、すごかったあ~。最初のアリアで、もう声が天空に広がっていくのがすごく感じられたし、3幕目は全く違う死を覚悟した女性を歌い、本当に素晴らしかった。
そして、指揮、、、、Donald Runniclesは最高です!もっと聴きたい。
結果、これももう一度観たかった!
『ローエングリン』は、新演出で、とっても不思議な世界。パルジファルのストーリーが通じているので、演出もメットのパルジファル(フランソワ・ギラード演出)を彷彿させるもの。
キャストも素晴らしく、主役のローエングリンは普段イタリアものが得意なベチャワ。でもすごく良かった!もしかしたら、イタリアものよりも慎重になってて、良かった?
エルサは、ダブルキャストで、タマラ・ウィルソンとエレナ・スティヒナ。私はスティヒナさんの方が好みでした。これはあくまでも好みなのかなー。
テルムンド役、曰くつきロシアのバリトン、エフゲニー・ニキティンが降板し(させられ?)代役のトーマス・ホール。彼がなかなか良くて、びっくり。正直、二キティンよりもずっと良いです。でもトーマスさんは、今後メットで歌う予定もないし、、、なんでだろう?。
白人の男性は、今の時代、以前よりもアメリカのエンタメ世界では、職が見つかりにくいかもですね。
ヘンリッヒ王は、またしても私の大好きなギュンター・グロイスベック💛
真面目な王様の役で、ギュンターのキャラとは全く違いそうだけど、これも良かった。彼はお芝居も上手いし、本当はコメディやらせると、その見た目(かっこいい)と凄いギャップがあって面白いんですよねー。
最近、以前のよりピカって光は無いけど、やっぱり好き(笑)
特に音域的にも彼にあってると思いました。
Orturdのクリスティーン・ゴーケは、大人気だったけど、私は、うーん。なんか、歌唱よりも顔の表情で勝ってたような。もう一度、録画で観てみます、何が気に入らなかったのか(笑)
指揮のヤニックは、相変わらずヤニックで、でもいつもよりシンガーを尊重してたような気もします。
彼のイタリアもの(特にVerdi)は、好きじゃないけど、ドイツオペラはなかなか良いですね。
と、私のベスト9じゃなくて、ベスト3をあげてみました。
でも、もし魔笛やジョヴァンニを観れていたなら、また感想が違うと思います。
2023年ベストシンガー達
舞台で実際に聴いて、あーよかった、すごい!さすが♡、と思ったシンガー。
上記のベスト3のオペラのキャスト以外のシンガーを上げますね。
あくまで、私の好み。あ、でも今年、このシンガー達を聴いたのは、全てアメリカ国外でした(-_-;)
メットーしっかりしてよー。
順不同です。
リセ・ダビデセン:『ドン・カルロ』のエリザベッタ役@英国ロイヤルオペラ
100万人に一人の声と、指揮者のパパーノさんを唸らせたリセ・ダビデセン。若手のトップ中のトップ。とにかく彼女の声量はすごい。声も確かに美しいんだけど、なにはともあれ、テクニックが素晴らしい。彼女のドイツモノの評判は、勿論前々シーズンの『ニュルンベルグのマイスタジンガ―』や2022年の『ばらの騎士』でわかっていたけど、イタリアものには全く期待せずに行きました。そしたら、なんて素晴らしいことったら!
彼女がメットで24年春に歌う『運命の力』も絶対観なきゃ!と決めました。ファンです。ほんと。
ソンドラ・ラドヴァノフスキー チューリッヒ歌劇場での『トゥーランドット』の主役、氷の心を持ったプリンセス、トゥーランドット姫を歌いました。さすが、さすが。トゥーランドットのアリア「In questa reggia」は高音も低音もあって、特に低音に急下降するところ、いつもハラハラしながら聞くんだけど、ソンドラは余裕のよっちゃん。今まで歌ってきたベルカントに比べれば、テクニック的には、朝飯前ではなかったのかーと思うくらい安心して、摩訶不思議な(を通り過ぎて口あんぐり)演出を堪能できました(笑)。
わざわざソンドラを聴きに、スイスまで飛んだ甲斐あり!やっぱり大ファン。
ソンドラは、予定ではROHの来日公演で6月にトゥーランドットを歌いますよー、東京都で。チケットべらぼうに高いらしいですが💦
あ、因みにハビエ・カマレナも同時来日します。ハビエは、リゴレットのマントバ公。いやあープレーボーイになれるのか、彼???
グレゴリー・クンデ :英国ロイヤルオペラ『Il Trovatore』のマンリーコ役。
クンデ様、マンリーコには、お年を召し過ぎてるかも??った感じだけど、声だけ聴いたら全くそうは思えないのが、素晴らしい。
超勝手で単細胞なマンリーコ(元々オペラのテノール役って、みんな単細胞っぽい。。。)が、優しくて情が深くて、知的に聞こえるから不思議でした(笑)
アズチェーナ(母親役)をなだめて寝かし続ける為に二人でララバイを歌うところの2重唱は、泣けて来た。アズチェーナ役のメゾとクンデ様は、実際の年齢はクンデ様がパパの年齢。でも息子の愛情ってのがすごくて、、、いやあー声で演技ができるシンガーって本当に貴重です。ビバVerdi!ビバクンデ様!
オマケ:アイグル・アクメチーナ 現在27歳!
英国のロイヤルオペラの『ウェルテル』を観ました。本当はヨーナス・カウフマンが主役を歌うはずが、お得意のドタキャン。でもシャルロット役に、話題のアイグル・アクメチーナが出るので、まあいいか、と観に行きました。
アイグルちゃんの声は、本当に素晴らしいです。でも、このオペラ苦手、、、やっぱり(笑)その日の代役のテノールが、イマイチで(以前聴いたことのある、イマイチなテノール。名前も思い出せない。。。)
ウェルテルのキャラも、テノールの歌唱も、(しかも演出もヒューストンオペラと全く同じでつまらん)苦痛だったけど、それでも救われたのは、アイグルちゃんの声だったのかも。
アイグル・アクメチーナ。。。新ネトレプコとよばれているらしい。。。
でも、このオペラ自体も、彼女にあってるのか?は疑問。ウェルテルのシャルロット役って大人しくて地味で、真面目で、秘めたパッションって感じで、表現するのがすごく難しいんじゃないかなー。その点、アイグルちゃんは、素晴らしい声を持つけど、、未だ声で微妙な演技はこれから”伸びしろ”なんだと思います。
2022年に聴いたリゴレットでのマッダレーナ役はよかったー。小さい役だけど、もっと聴きたい、と思いました。
マッダレーナの路線で行くと、カルメンの方が彼女にあっているのでは?数日後の大晦日のガラの演目が、『カルメン』で、アイグルちゃん、主役です。
本当に楽しみ。
このアイグルちゃん、主演のカルメンを観劇ナイトで1月27日に観に行きます。
最後の2席となるので、ご希望の方は、ASAPでお知らせください。
2024年最も注目されるシンガー:アイグル・アクメチーナ
さて、世界のオペラハウスが一押ししている、アイグルちゃんを、オペラクラスの皆さんと一緒に観に行きませんか?
詳細はこちら
今回の新演出は、台本通りの設定ではなく、現代に舞台を移して、男女の愛、嫉妬だけでなく、社会的な問題にも焦点をあてる舞台です。
なのでドギツイシーンもありそう。
モダンな演出は演劇性が楽しみです。
でも、荒筋だけ読んでいくと、頭の中に浮かぶのは、19世紀のセビリアを背景にしたジプシーのカルメンと兵士のドンホセに、闘牛士華やかな姿のイケメン、エスカミリオ。
その頭で今回のメトロポリタンオペラの、新演出『カルメン』を観たら、思いっきりそれがぶち壊されて、混乱します(-_-;)。
予習クラスでは、荒筋、見所、聴き所の解説は勿論、新演出の解説、見所、そして、今回のキャストについても、ききどころなど下準備をしっかり楽しく学べます。
因みに、NY外からの皆様!1月はホテルはオフシーズンで値段下降気味です。
是非NYへー!(笑)
残席僅かです。ASAPでご連絡くださいませ。
その他の観劇:
3月:ロミオとジュリエット 5月:マダムバタフライ
ロミオとジュリエット 3月10日(日)3pm:(残席僅か)
原作シェークスピアの『ロミオとジュリエット』は、シャルル・グノーの作曲作品。
グノーをご存知ない方も多いと思います。が、グノーは”近代歌曲の父”とも言われ、フランス人にとっては偉大な存在です。
そして今回のキャストは、ジュリエットに『ランメルモールのルチア』や、『椿姫』で大好評だった、ナディーン・シエラ。可愛いくて、スタイル抜群な彼女、勿論歌唱力も最強で、当たり役だと思います。そして相手役は、現在トップのリリックテノール、フランス人のバンジャマン・ベルネーム。
これは、楽しみです♡
華々しく美しい音楽とお馴染みの悲劇…ティーンにも観て欲しい作品です。
今年の夏、息子も楽しんで観ていました。
今回特別お子様料金を設定しました。
★本演目はファミリープレゼンテーションでないので、(原語-仏語)で歌われ、全5幕-2時間半-)参加費のチケットポーションは、いつもの他演目と同じです。
親子でご参加の方々に、会場上階5階バルコニー)のもう少しお値段が低いもご用意可能です。その場合、参加費は提示より$20マイナスされます。
マダム・バタフライ 5/4/24 8pm
これもあまりにも有名ですね。
何故有名なのでしょう?
バタフライは、数多くのプッチーニ作品中、最も優れた作品と言われています。
プッチーニと言えばTurandotやトスカが有名ですが、音楽面ではバタフライは越えられません。
日本(長崎)を舞台にした蝶々夫人、悲劇と「ある晴れた日に」のアリアが有名です。が、今回はドラマを表現するオーケストラと、そして歌う女優と言われる現在最もホットなソプラノ、アスミック・グレゴリアンの蝶々さんを観劇したいと思います。
バタフライのドラマ(日本女性がつらい思いをする)を毛嫌いして、観ていなかったあなた!(笑)、バタフライは日本人の設定だけど、日本人ので性格とは程遠いし、アジア人でないシンガーが演じるので、今回是非ご一緒しましょう。
観劇ナイト参加方法:
参加費:$254 含まれるもの:☆オーケストラプライム席チケット☆ZOOM予習クラスx2☆ZOOM感想会 *全演目同じ金額です。
例外、ロミオとジュリエット:子供金額$110
お申込み・お問合せ:全てのオペラのお申込みは以下のフォームから、ご希望のオペラのタイトルをご記入の上、ご連絡ください。また、お子様もご参加の場合は、お子様の年齢と人数もご記入くださいませ。
尚、ロミオとジュリエットでお子様とご参加される場合で、バルコニー席をご希望の方はそちらもお知らせください。
エラー: コンタクトフォームが見つかりません。