オペラ界の名バリトン、ディミトリ・ホロフトスキーの死に思うこと

水曜日、ロンドン時間の朝、現代のオペラ界のナンバー1バリトン、ディミトリ・ホロフトスキーが脳腫瘍のため、55歳という若さで亡くなりました。

彼の記事は以前にも書きましたが(→ここです。)、なんとなく予感はしていたものの、オペラ界、特に彼の第2の故郷的存在のメトロポリタンオペラハウスにとっては大ショック。

メットのHPやFBでは彼への短い追悼ビデオも出ています。

私自身も独身時代にロイヤルオペラハウスで、彼を聴いて以来、欧米にて何度も彼の舞台を観ることができました。往年は近年最高のVerdiバリトンと言わるだけあり、メットでの作品は圧倒的にVerdiのオペラがレパートリーの中心でした。

ロイヤルオペラのパンフレット。当時5ポンド。(為替レイト320円だったから、高い!!)

特にファンというわけではなかったのですが、彼の舞台での存在感は常に圧倒。

個人的には、やっぱり彼のオネーギンは、見た目も、ちょっと冷たい声もぴったりで、昨シーズンに予定されていたエフゲニー・オネーギン(アンナ・ネトレプコとの共演だし)とても楽しみにしていたのですが、病気のため降板してしまい、、、、本当に残念!

ディーマのオネーギンは、彼が31歳の時、ロイヤルオペラで初めて聴きました。

それよりも前に小さい役で聴いてたのだけど、やっぱり彼はオネーギン。

って事は、私のオペラにハマりキャリアと彼のオペラスターキャリアは殆ど同時進行。

自分の今迄の人生の経路を思い返しながら、アーティストのキャリアを照らし合わせる。その時に行ったコンサート、オペラ、聴いた音楽。

アーティストの声や演技は、歳と共により深みが増していくもの。聴く方の私も、作品への理解度も、聴く耳も肥えて、より彼らの音楽/アートを楽しめる….

だから、本当に彼の舞台を待ち望んでいたのですが。

ディーマを最初に聴いたのは、この時だった?衝撃的なオネーギンでした。ニヒリストという表現がぴったりで、、、

オペラシンガーだけでなく、好きなアーティストの訃報を聞くと、残念過ぎる気持ちと、あーもっとナマで聴いとけばよかった!という思いがよぎります。

それを言えば、ロックやポップのシンガーも同じこと。

プリンスやデビッド・ボーイが亡くなった時も同じこと。

私の場合、ジョージ・マイケルの訃報を知った時は大ショックで、Youtubeで彼のMTV Unplugged (←超お薦めです。)を何度も聴きながら、「ああ~?もう一度ナマで聴きたかった!!!!」と悲しみに浸って数日過ごしました。

本当に彼はうまい、、、、ああああ涙、涙。

20代の頃の武道館でワム!のコンサートとジョージ・マイケルのソロコンサート。

コンサート終了後、民族大移動のように武道館最寄りの駅へ、興奮冷めやらぬ気持ちでそぞろ歩く自分や一緒に出かけた姉や友人の姿を思い出しちゃう。

もっと過去をさかのぼれば、Queenのフレディ・マーキュリーが亡くなった時も大後悔、、、。(フレディーはオペラファンだったのですよね。かれの曲を聴いて、声を聴けば、納得できるはず)

彼の住んでいた、アールスコートの辺りを車で通る度に?

今は、CDやDVDはもちろん、なんでもYoutubeで観れる(聴けるので)素晴らしい時代ですが、やっぱりシンガーはナマで聴きたい。

今月の教訓(笑)

聴きたい、観たいと思ったら、がんばって行くべし!

です☺ 音楽は人生に不可欠。

*オペラに関係のないようなお話しですが、ジャンルにかかわらず、素晴らしいアーティストは、やっぱり心を揺さぶられます。

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