新しいシーズンで見たいオペラ国内編(US)①

9月23日から、NYのメトロポリタンオペラ(メットオペラ)では、新シーズンが幕開けします。

数年前にメットオペラの総支配人のゲルブ氏が、新作オペラのチケット売れ行きを受け「今後、メットでは新作オペラで新シーズンを開幕します!」と宣言。基本的に新作にあまり心を奪われない私は、その後、メットのあるリンカンセンターに、9月開幕すぐには足を運ぶことがなくなりました。

新作オペラ 『Grounded』

今シーズン(2024~25)もモダンオペラで開幕。

本作品は、同題名の一人芝居をメットオペラが、オペラ化を選び、『Caroline!Or Change!』,[ Fun Home』などで、ブローウェイで多くの賞を受賞した作曲家のJenni Tesoriに依頼したもの。内容は、US空軍パイロットの女性が、出産し、家族と過ごすために飛ぶことを諦め、ラスベガスの基地で、ドローン攻撃機のパイロットとして働くうちに、精神が不安定になる過程を描いている。最後は、攻撃する際に、標的人物を自分の家族たちと錯覚し、ドローンを墜落させてしまい、軍法会議の後に投獄されてしまうそうな。。。。

いやー、暗いでしょー(-_-;)

こんな暗いオペラでシーズン開幕なんて、、、って思ってしまうけれど、音楽はとても美しいです。

キャストもお薦め。でも、現代ものって、音楽の印象が、薄い分(ー頭に残る音楽ってある?)ドラマの質の高さが大切だと思うのだけれど、昨年ケネディセンターで初演された際は、ドラマと、主役を巡るキャラクターの弱さで評判はいまいち。今回のメットでは、初演から改正され、上演時間も45分カットされているとか。

さて、こーんな暗い話、、、見に行きますか?

私は、、、悩む(笑)体調がすっごくいい時に行こうかな(笑)。

見た後に、気分転換に、すっごくくだらないYoutubeを見るか、バンバン楽しいK-popでも聴かなきゃ、やってられないかも(笑)

あ、噂では、前シーズンのモダンオペラの売れ行きはイマイチだったらしく、来年の開幕オペラは、古典ものに戻るらしい…です😅

モダンものって、ストーリー面白くても、もう一度聴きたいって思わない作品が多いから、仕方ないかも。

スター歌手、バンジャマン・ベルネーム主演『ホフマン物語』

さて、メットのシーズン開幕は、現代オペラですが、もちろんトラディショナルなオペラもあります。

しかも楽しいもの!

『ホフマン物語』は、オペレッタの父としても知られるオッフェンバックの唯一の有名オペラ。

主役ホフマンの3つの悲恋をすこし滑稽に甘酸っぱく描きます。

メットオペラのホフマン役は、今一番ホットと言われるフランス人テノールのバンジャマン・ベルネーム。彼は、パリオリンピック閉会式

An introduction to the Opera講座のオペラ観劇ナイトは、『ホフマン物語』で、今シーズンキックオフします。

超簡単あらすじ:人気オペラDIVA(ステラ)に熱を上げて、創作から離れてしまっている詩人のホフマンを心配するミューズが、本来の詩人として自分を見つける手助けをするために男性に変身し、ホフマンの親友となり、彼を導く。ホフマンは、ステラの舞台が終わるのを待つ間に、酒場で飲みつぶれている。酒場にいる学生たちに乞われ、過去の3つの悲恋;ー3人の美女との滑稽であり、悲しい(悪魔に操られてる?)失恋物語を語りだす。

このオペラは、彼がその3つの恋それぞれのストーリー(幕)としてを語るオムニバス形式のオペラです。それぞれ悲恋には、それを操る悪魔(バス)が絡んでおり、その悪魔役もバス歌手にとっては美味しい役柄。魅力的なアリアや、重唱も多々あります。

このオペラで一番有名な曲は”♪ホフマンの舟歌”の名で有名な2重唱。

私は、ロンドンのロイヤルオペラで、1991年に初めて見た時から、大好きになったオペラです。

その時の主役ホフマン役は、なんと64歳のアルフレッド・クラウス。

動きは遠目で見ても若くないのはわかるんだけど、声は最高に素敵でした。

プロローグのアリア、Il était une fois à la cour d’Eisenach は、ちょっとした踊りもあって、愛嬌たっぷり。

当時大人気だった韓国人リリックソプラノのスミ・ジョーのオリンピア(ホフマンが人間と勘違いして惚れるお人形)も最高でした。

そして最も最近観たのは、コロナ前のメットオペラ。今はメットとロイヤルオペラにセクハラ疑惑でお出入り禁止のグリゴロ君がホフマン役でした。

演出は、今回と同じで(by Bartlett Sher)で、ムーロン・ルージュを彷彿させる怪しいライトいっぱいの、幻想的であり、ちょっとシュールな演出。でも、最近のヨーロッパでの演出に比べると、ぶっとんでは、いません(笑)。

前回観た時に思ったのは、グリゴロのファンじゃない私も、彼の良さが凄くわかった、テノールの魅力が大切なオペラだと感じました。

ベン君(と我々勝手に呼んでます。)ことバンジャマンも、インタビューなど聞くととっても魅力的で興味深いキャラのシンガー。彼の美声は勿論、その魅力を発揮できる作品だから楽しみです!

当講座のオペラ観劇ナイトは10月13日のマチネ。演出が、少しヌードのダンサーが出るので、お子様向けではないかもですが、高校生にはとっても楽しめるオペラです。

もちろん初心者にも!

今回のキャストでは、10月5日(土)に全米、ヨーロッパの各都市の映画館で生配信されます。日本では、11月に配信ですね。

現在予定の、予習クラス日程は、以下の通りです。

10月3日(木)8pmEST 前半

10月9日(木)8pm 後半

ご興味のある方は、こちらからぜひご一報ください。

次回のブログでは、アメリカの他オペラハウスの秋のおすすめオペラについて書きたいと思います!

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