今すぐ聴くべきシンガーその③ ソンドラ・ラドヴァノフスキー

必聴!今すぐ聴こう!

 

ソンドラ・ラドヴァノフスキー Sondra Radvanovsky

 

またもや久々の投稿?。

9月にメトロポリタンオペラのシーズンが始まり、

『ラ・ボエーム』

『サムソン&デリラ』

『アイーダ』(これも歴史に残る名演プラス奇演?⇒また書きます)

『西部の娘』

『トスカ』

と、わずか1か月の間に観てきました。

本当に幸せ(笑)

 

色んな意味で興味深いパフォーマンスや、素晴らしいシンガーを聴くことができました。

 

今日は、一番最近観た、『トスカ』の主演のソプラノ、ソンドラ・ラドヴァノフスキーのお話。

 

デビュー当時から大ファンのソンドラ・ラドヴァノフスキー(ソプラノ)

 

初めて聴いたのは、確か何かのガラコンサート。凄い若手が出てきたと、興奮したのを覚えています。

彼女の声は、オペラ史きってのDiva、マリア・カラスを彷彿させるドラマチックな声。

 

ソンドラ・ラドヴァノスキー

その後いろいろ聴いて、完全なるファンになったのは、メットでのVerdiのIl Trovatore。

 

Il Trovatoreは、私の一番好きなオペラなのですが、カラオケでも全パート、全コーラスも歌えるくらい聴きこんでいました(笑)

 

そのトロバトーレの3幕目で、もうソンドラさん歌うレオノーラのアリアにもう心が締め付けられて、♡はノックアウト状態。

 

彼女は、現代のVerdiソプラノのナンバー1と言われています。

これは、随分前のパリスオペラから。

 

 

以前は、高音があまり得意な印象はなかったのですが、2003年に幼少の頃に手術して管(?)が入っていた喉をまた手術をしたら、急に高音がでてきたとか!

 

それをきっかけに、高音が要求されるベルカントも大得意レパートリーとして世界中で活躍。

まあ、Verdiもベルカント系だから、納得はするのですが、プッチーニは?という疑問は、前回聴く前にありました。

 

過去に聴いたトスカは?

実は2011年に、ソンドラさんのトスカをメットで観たのですが、その時は、なんでトスカを歌うんだろうと不思議に思うほど残念な結果?

 

その時のソンドラさんのトスカは、なんか、つまらない。感動ゼロ(笑)。

『トスカ』でつまらないって、あってはいけないでしょー!

正直言って、彼女のトスカは、もういいやと思いました(笑)

 

ソプラノならみんな歌いたい役、トスカ

彼女もインタビューで、プッチーニとヴェルディの違いは?と聞かれて、Verdiは声域も広いし、非常に高い技術も要求され、とにかくレガート、歌手に求めるものが本当に大きい、、、と。

プッチーニは、声域的には、広くなく、でもオーケストラが大きく、管楽器がバンバンなるので、それに負けない強くて大きい声が必要。でもアリアはすごくリリカルだから、その辺のコントロールが大変で、そして、ドラマ、、、特にトスカは、ベリズモオペラなので、感情ビンビン、と語ってます。

 

確かにソンドラさんは、

  • 声域は広い
  • 声は大きい
  • レガートがめちゃくちゃうまい
  • 声のコントロールが上手い
  • ドラマチック(たまに空振りもある)

 

 

この5年の間の彼女のレパートリーの広さは、たまげるもので、やっぱりテクニックもすごいし、アーティストとして本当により奥行きがでたのでは?と思い、

今回心を入れ替え(?)、初日に観てきました。

 

で、もうすごい!!!!?

 

ポジティブ点:

呼吸のコントロール、声のボリュームの駆使、表現、あんまりにも素晴らしくて、おったまげました。

 

いやあああああああああ、もう耳?が釘付け(笑)

 

もちろん聴きどころの、「歌に生き、愛に生き」は、彼女の声と完璧なる呼吸のコントロールで、トスカの辛さが痛いほど迫ってきました。

さいしょの一音で、あああああ!って?が出てきた(笑)

 

新聞やオンラインでの批評もすこぶるよく、もう文句なしです。

 

ネガティブ点:

あえて言えば、彼女の弱点であるディクション(言葉の明確さ)がちょっと弱かったり、時には、ドラマのために美しく歌うことも犠牲にするってのが、耳に着く人もいるのかもしれません。でもね~これだけ歌えるソプラノっていないでしょ。

個人的には、原作通り、若い恋人同士を演じるあまり、不自然なというか、やめた方が言いわ~?と思うわせる、「若々しい」ではなく「ぶりっ子おばさん」っぽい演技もあったんですけどね(-_-;)

 

 

でも!

ソンドラ・ラドヴァノフスキー、今が旬です!!

彼女は、絶対絶対 生で聴くべきシンガーです!!

前シーズンのリセウ劇場(バルセロナ)での『アンドレア・シェニエ』では、主役のスーパーテノールのヨーナス・カウフマンを完全に食っていて、アリア「マンマ モルタ」の後には、あまりの拍手喝采で、アンコールで歌ってしまったとか!

彼女のマッダレーナ(『アンドレア・シェニエ』)生で聴いてみたい!

 

 

メットTosca初日の感想

さて、10月25日(木)作品全体としての感想ですが、、、、

ソンドラさんが、凄すぎて(笑)、あとは????って感じでした?

カヴァラドッシ役のJoseph Callejaは、悪く名はけど、良くもなし。きれいな声のテノールなんだけど、なんか物足りない。

 

2幕目の「ヴィクトリア~ヴィクトリア~」では、立派でした。

 

で3幕目の超有名アリア「星は光りぬ」は、良かったのかな、、、というか、すべてをソコにかけてたって感が。でも演技とかは、がんばってたし、やっぱりオペラ「トスカ」はトスカが主役ですからね~。

でもこれは初日なので、もしかしたら後日は良くなってるかも。

悪役のスカルピアは、予定のWolgang Kochが病気のため、全公演キャンセルしてしまい、急遽初日のみ、現在メットの「西部の娘」でジャック・ランス役を歌ってるバリトン、Jerjko Lucic ジェリコ・ルチッチが歌いました。

彼は、この演出がデビューした、去年の曰く付きガラでまあまあ好評だったのですが、今回はお疲れのせいか、声が全然でない。

 

1幕目のスカルピアのテーマと共に、最初の一声で、会場中を震え上がらせてほしいのに、「あれ、来たの?」って感じで、迫力ゼロ。

2幕目は、まだよかったけど、彼の嫌な奴ぷんぷんの演技(悪役ですから)と、声がなんかずれてて、、、残念でした。

 

トスカは、この主要3人がそろって、劇的な音楽と共に、スリルあるドラマを生み出すオペラなのです。

が、もしテノールがこけても、悪役のスカルピア(バリトン)とトスカ(ソプラノ)さえ良ければ、見ごたえしっかりなんだけれども~。

前シーズンの後半キャストのスカルピア役のミッシェル・ボレに歌ってほしかった。彼ほど、怖いスカルピア過去にいなかったわ~。

2日目からは、メットデビューのClaudio Sguraがスカルピア役を歌っています。彼は、私も聴いたことがないので何とも言えません。

聴かれた方、是非教えてください!

 

トスカは、特に事前の深い予習がなくても楽しめるシンプルなストーリーだと思うので、是非是非お出かけください。

きっと当日券も手に入りやすいのでは?

 

これは、熱血ファンのおばさんがブラバー連発してますが(爆)

ソンドラさんは、11月2、5、9、13、17日まで歌います。

ticket&インフォはこちら?

https://www.metoclaudio sgurapera.org/season/2018-19-season/tosca/

 

NY タイムスのレビューも出ました!

やっぱり、ソンドラのショーだって言ってる(笑)

https://nyti.ms/2CR5Vma

 

 

 

ちなみに、日本での知名度は、殆どないですよね。でもヨーロッパではすこぶる人気なのに、、、、

今回機会を逃しても、世界のどこかで、ソンドラさんが、ヴェルディかドニゼッティ・ベリーニを歌うときは、絶対逃さないでくださいね!!

 

ドニゼッティの『ロベルト・デヴリュー』より。これは、最高!

 

 

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