オペラに夢中:私のオペラ史きっかけ①

初めてオペラを観て、オペラに夢中になってから、既に30年以上たちました。

オペラクラスや、オペラの話に熱中していると、「ご両親もオペラ好きだったの?」と問われることがあります。

いや、全然(笑)

オペラという言葉も、家では聞いたことがなかったかも。

なので、どんな経歴で私がオペラに夢中になったか、、、を少しづつお話していこうと思います。

子供のころ:オペラという言葉は聞いたこともない?

先ず、我が家は、父も母も祖父母も楽器も弾きません。

オペラという言葉も知らなかったし、誰も発しなかった。

ただ、クラッシック音楽は、母がベートーヴェン、メンデルスゾーンとパガニーニ、そしてチャイコフスキーの『白鳥の湖』が好きでレコードを聴いていたけど。

でもオペラは全然。

今は私の影響で、母も姉もオペラ大好きですが💛

子供時代の習い事は、よくあるピアノとヴァイオリン。でも、練習が嫌で長続きせず。

クラッシックコンサートは、行きました。

叔父(父の弟)がオーケストラでチェロを弾いていて、義理で購入したチケットで、数度連れて行かれたんです。

コンサート開始前に、コンサートマスターが出てきてオーケストラのチューニングする時、何かが始まる、って会場の空気は好きだったな〜(あ、それは今も)

でも、そのあとは寝てた。(今は起きてます。たまに寝落ちするけど。)

まあ、それがきっかけで、ヴァイオリン弾いてみたいと思ったんですけどね。

でも自分の奏でる音の酷さに挫けました(笑)

歌は好きだったので、小学校のころ、声楽を少し習いました。

でも、歌の先生が出す課題「みんなのうた」がつまらなくて(笑)

中高のころは、海外のロックやポップ、ジャズ系に傾倒。

中学生の時に合唱クラブで歌ったヘンデルの「ハレルヤ」はすごく気に入って、英語をカタカナ読みでちゃんと暗記して、歌ってました。

面白いことに、40年後の今でもちゃんと覚えてる。。。

そんな感じだったので、母が聴くクラッシック曲以外は、流行の音楽以外耳に入ってきてませんでした。

ちなみに、母はモーツァルトに興味がなかったので、モーツァルトも髪型しか知らなかった(;^_^A (音楽室の恒例ポスターね😆)

英国で初オペラ…でも全然わからん!

そんな私が、オペラを初めて観て聴いたのは、英語留学時代の20歳になりたての5月。

なぜか、友人が手配してくれて、日本人4、5人でロンドンのロイヤルオペラハウスに行きました。

でも、当日まで、いや、席に着くまで、何を観るのか、全く知らず(;^_^A

それよりも、オペラの後にみんなでリッツに泊まることで頭がいっぱいだった…(バブル時代の申し子達です)

そして、よくわからない期待を持って観た作品は….

ベンジャミン・ブリテンの『ピーター・グライムス』。

1975年演出の『ピーター・グライムス』英国ロイヤルオペラハウス

ここで、オペラ通の人は、笑うかも。

なぜなら、この作品ね、絶対、間違っても、初心者向けじゃないの‼

ブリテンは、20世紀の英国の作曲家で、超前衛的な音楽ではないけれど、メロディアスじゃない。

『カルメン』みたいなものをイメージしてたら、まーったく違う。

まあ、その当時の私は、『カルメン』も知らなかったから、比べようがなかったけど。

いやあああ、わからんかった

全く。

『ピーター・グライムス』は、英語で歌われるオペラで、字幕が出たかどうかも覚えてない。

おまけに、貧乏くさい海辺の村が舞台で、なんだかグレーな感じのセット(これイギリスのお天気だわ)。

辛気臭さ満載。

楽しくない(-_-;)

努力(?)と忍耐で2幕を終えた。

(あと1幕あるけど)「もう帰ろよ~!」と吠える友人。

途中で帰るのは、チケット代勿体なさ過ぎる!(オーケストラ席だったし)と、勇気をもって、お隣のおじいさんに「あのー、このオペラの荒筋は??」と尋ねた私。

英国紳士おじいさんは、「何もわからず今まで見てたんですか?」と驚きつつも、さすが英国紳士、無知な奴らめ、という態度は出さず、簡潔に説明してくださいました。

荒筋は:

弟子を海で遭難させてしまった漁師のピーターは、村の裁判で、もう弟子をとるのは禁止されるが、余りに重労働なため、友人のつてで、孤児の男子をこっそり新弟子にする。でも、それがバレそうになって、新弟子に小屋の裏からでて、崖を下りて隠れろと指示をするが、新弟子は途中崖から落ちて死亡。のちに、死体が上がり、それがピーターの新弟子だとバレると、村人たちは激怒し、モブ化。友人に「責任をとって海に行け」と言われ、ピーターは一人海に出る。翌朝、難破船の知らせが来るが、村人は気に留めず、日々の作業を続ける。

…やっぱり暗い…😢

しかも、

教えてもらって「なるほど!」って盛り上がらない話の筋…😑

シェークスピアの国、イギリス。

英国オペラって、お芝居なんですよねー。

だから、音楽ですべてをくみ取ろうってのは、間違い。

だから、全くとっつけなくて、ゲンナリでした。

これ、絶対初心者向けじゃないでしょ。

中級にもちょっとねー。

今行くとしても、ちょっと怯むかも(笑)

さて、友人達は、「もうオペラはいいや。」って思ってみたい。

そりゃそうだわ(笑)。

私も、正直、この体験の後で、オペラに興味は持てなかったけど、オペラハウスの空間はすっごく好きでした。

今までに、知らなかった世界。

床も壁も赤とゴールドだし(笑)

Royal Opera House Covent Garden The Royal Opera, opera, london, concert, theater png
英国ロイヤルオペラハウス、オーケストラ席 やっぱり雰囲気最高

でも、

「じゃあ、他の作品を観よう!」とかって思いは無し。なぜなら、オペラには色々種類があるー「”ほかの作品”は違うかも。」という知識すらなく、それで終わっちゃったお初オペラ体験。

今考えてみれば、本当に勿体ない 😢

オペラ面白そう?!

そして月日が流れ…私は、オークションハウスのクリスティーズの学生として、学校と美術館の往復と、宿題に追われる日々。

深夜にふとテレビで観た映画に、ぐぐっと惹きこまれたんです。

「え?これオペラ??、観たい‼」

その映画は、『アマデウス』

モーツァルトは殺害された?という設定で史実の人物のフィクション作品。

映画でワンシーンを見せていた『ドンジョヴァンニ』というオペラに興味深々。

オペラって実は面白いかも???という想いが沸き上がってきた〜

オペラ観たい…..かも…..

面白いオペラが観たい!

それは、オペラ初体験から、既に2年に月日が経っていました。

続きは次回(^_-)

映画アマデウスから、『ドンジョヴァンニ』

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