アンナ・ネトレプコの『トスカ 』ウィーン国立歌劇場から生配信
現在のオペラDivaの1人、アンナ・ネトレプコがCovid-19にかかった時には、一体どうなる事か??と思ったファンも多かったでしょう。
でも早期に入院して、サッサと良くなった退院。
その後、母国ロシアのハウスを中心に再活動していましたが、日曜日にウィーンの歌劇場に出演!
その演目は、数年前にメットオペラで役デビューして大成功したプッチーニの『トスカ 』
なんと無料で生配信をしてくれるウィーン国立歌劇場に感謝!ですね。
こちらは、現地時間19時から。
https://www.wiener-staatsoper.at/en/
正直、もうオペラ配信は、お腹いっぱい、とか飽きたと言う声もよく聞きます。
私は、飽きたと言うより、配信予定のスケジュールが上がると、ああ〜未だ再開は遠いのかな?と悲しくなり、鬱な気分になっちゃいます。
でも
生配信は嬉しいし、オペラ皆無よりもずっと良いですよね。
トスカ :ソプラノなら必ず歌いたい役
と言うのが一般論。
なんせ往年のトスカ歌いといえば、天下のマリア・カラス様だし。
でも天下のアンナちゃんは全く逆。
周囲に絶対ハマり役だから!と勧められても断固として断ってたそうです。
その理由は….
キャラが嫌い😅
「こんなおバカな女は、興味ないのよねー。」
確かに…
トスカ は人気女優/歌姫の役。
原作によると、孤児で修道女に育てられたトスカ は、とっても敬虔なクリスチャン。
付き合って間もない絵描きで革命派のカヴァラドッシとは、ラブラブ相思相愛。
でもめちゃくちゃ嫉妬深いのよー。
この嫉妬がネックになって、悲劇にあるんだけど。
敬虔で、一途で、嫉妬深くて、愛情いっぱい目が❤️状態なトスカ は、可愛いんだけど、直情方で、単純すぎるのか、おバカっぽいのか😅
アンナちゃんには魅力的な役じゃなかったそう。
まあ、そうこうしてるうちに、説得されたのか(何と言っても超人気オペラ作品だし)、納得のいく解釈があったのか?2018年の4月にNYのメトロポリタンオペラで役デビューしました。
結果は…大成功‼️
アンナ・ネトレプコについて書いたブログはこちら→今聞くシンガーアンナ・ネトレプコ
ラッキーな事に、私も初日をオペラクラスの生徒さん達と観に行ったのですが、何が嬉しいサプライズだったって、アンナちゃんの解釈の仕方。
トスカ って、劇的過ぎる感のあるオペラで、みんなメチャ感情に走るし、音楽もオケがガンガン飛ばす鳴らす!
だから、キャストによっては叫び合い大会になっちゃう時もあるし…
あと、わざとらしい〜演技😅
でも、それが全くなくって、すごく繊細でビックリ。
(この細やかさが、数ヶ月後のシーズンオープニングのアイーダでまた発揮されてました。流石!)
さて、今回のトスカ 、どうなんでしょう?
2018年4月の後に、ミラノでも役デビュー。
他のハウスは覚えてないけど、大分数もこなして、トスカというキャラクターにも愛着が湧き、彼女の得意役となりつつあるようです。
コロナにかかっちゃう前に、ナポリのサンカルロ劇場でこコンサート形式のトスカを歌ってたのを、配信で観ました。
これも良かった❤️
今回のキャスト
は….またユーシフ・エイヴァゾフが相手役のカヴァラドッシ😑
悪くないけど、ぜんぜーん良くない😅
別に高音が出ないとか、もげるとか(笑)、そんなんじゃなくて。
普通に声も出るし、綺麗だし(声が)。
でも…
つまんないのよねー彼。
ユーシフは、Divaアンナちゃんの夫。
キャリアはそれ程長くなくて、まあ声量もあるから重宝されるんだろうけど…
声に表情が無い。
色が無い。
そして、
スター性がねー😑…無い🤔
でも!!
『トスカ 』で大切なのは、主役のトスカ 。
そして、相手役のカヴァラドッシよりも(超有名人気アリアが、2つあるけど😅)、悪役のスカルピア‼️
スカルピア役は、それこそバリトンだったら、みーんな歌いたい役の一つ。
バリトンでなくても、バスでも歌いたがる。
そりゃあーそでしょう。
悪役って演じがいがあるし、(ディズニーだって、シンデレラやオーロラ姫より彼女らの継母の方が面白いものね)
それに…
スカルピアが初めて舞台に出てくる瞬間の音楽(スカルピアのライトモチーフ)、もう最高なの〜。
スカルピアは、泣く子も黙る冷酷警視総監。
18年のメット版では、素晴らしいミヒャエル•ヴォレのスカルピア…彼の一声で、会場中が恐怖で震え上がった😅
スカルピアがどれだけ人々に恐れられてるかは、スカルピアのテーマと共にステージに出て、最初の一言「Un tal baccano in chiesa!」(教会でこの騒ぎとは!!怒)で決まっちゃうから~。
最高でした。
スカルピアが死んじゃう2幕で、もう十分だったわ。
今回のスカルピアは、ウォルフガンフ・コッホ。
彼は、そう言えば2018年秋のメットの『トスカ 』をキャンセルして聞き逃したんだわ…
先週、ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場の無人開演/生配信で『ファルスタッフ』の主役を歌い、なかなかでした。
が、ファルスタッフとスカルピアは全然違うしねー。
期待したいと思います。
ウィーンからの生配信は、12月13日、現地時間19時から。
お見逃しなく!
ロベルト・アラーニャの『ローエングリン』も生配信!
https://www.staatsoper-berlin.de/de/
何年か前にこの役をバイロイトで歌うはずが、準備不足でキャンセルしたときに、「やっぱりねー。」と言われ笑いもとったのを思い出しました。
でも、このコロナ禍で、準備する時間たっぷりあったんでしょね。
この人ほど、不死鳥のごとく、よみがえったテノールもいないのではないかと思うほど、ノリにノッテルアラーニャ。
ベルリンオペラハウスの生配信では、字幕が付くかわかりませんが、アラーニャファンは必見です。
オペラハウスのHPによると、Arteチャンネルのほかに、オペラハウスのHPでも見れるそうです。
キャストはこちらは強力、ルネ・パーぺがヘンリック役。
さて、明日日曜日、一歩も家から出れないかも(笑)