オタクになっちゃうオペラ:Bel Canto Opera の魅力…『I Puritani 清教徒』@Metropolitan Operaを観て思うこと①

こんにちは。久々のアップです。

2月最終日にベッリーニの『清教徒』に当日券で滑り込み観劇してきました。

この日が、このオペラの最終公演だったので、出先にもかかわらず、必死で当日券をオンラインでゲットしてのお出かけ。♬(Onlineで当日券をとる方法→ここ をクリック)

このオペラは何の気なしには聴いていたけど、しっかり聴くようになったきっかけは、このテレビコマーシャル(笑)

シャワー工事のお兄ちゃんもオペラが好きなのね♡

今回は、ウィークデーだったので、お一人様オペラ♡

今回の当日券でラッキーだったのは、1人分だったせいか、良い席でビックリ。 そして、観客も、若い人たちが多いのに、またビックリ。若いカップル、学生さんがいっぱい。

でも、思ったより空席が目立って…ビックリ。ではなかった~(笑)。

何故なら…

このオペラは、一般的に作品の知名度が低いからかも。

パッとしない1976年に作られたプロダクション

1976年にデザインされたこのプロダクションは、学芸会のごとくシンプル。下の1幕目の写真の教会は、バックドロップに描かれているだけ。そして、演出も40年前のままで、「退屈!!!」とリバイバルの度に、批評家らに叩かれてるプロダクション。

(イメージ:Metropolitan opera より)
立体的なバックグランドが殆どないセット:しかも第1幕、第3幕兼用(-_-;) (イメージ:Metropolitan opera より)

 

その頃の演出は、お芝居よりもとにかく歌うことに集中する舞台が主流だったし、特にその当時のベルカントオペラのNo.1ディーバ、ジョーン・サザランドの演技は硬いので有名(←本人も認める笑)。

でも今回の主役のエルビーラ役のディアナ・ダムラウさんは、歌う女優としても有名で、とにかく舞台ではよく動く(笑)。その時の感情で、演技が変わるので、演出家の指導は結構無視という場合も多いらしい。それが吉と出るか、凶と出るか・・・。

ディアナさん、リハーサルの時に

「何でここに立ってなきゃいけないの?じっとして歌うなんて変よ!」

と言い放って、チームを説得した(?)というエピソードも。

1976年初演の写真。エルビーラ:ジョーン・サザランド、アルトーロ:若かりしのパヴァロッティ(Metropolitan opera より)
1991年のプログラム。ベルカントの女王、エディータ・グルベローバがエルビーラ役。写真は歴代の有名キャスト。パバロッテッィにサザーランド、サミュエル・ラメィにシェリル・ミルンズ、ジェームス・モリスとゴールデンな面々 (イメージ:Metropolitan opera より)

 

『I Puritani  清教徒』というオペラ

熱烈なオペラファン以外にとっては、マイナーなこの『清教徒』。でも、イタリアオペラファンにとっては、たまらない作品。素晴らしいメロディが随所にちりばめられていて、アリア以外のちょっとしたアンサンブルも心惹かれる旋律がいっぱい。シンガーのアーティストとしての技巧もたっぷり楽しめる。久々に私もオタクと化して、色んなシンガーの聴き比べをして、本番に臨みました。

この作品は、耳を凝らして美しいメロディと美しい声を堪能し、ハイノートのあたりは息を飲んで見守りながら聴く、オーディエンスの方も、必死なオペラ。

なので、字幕を追ってる暇がないので、決行大変なのですが、ストーリーはいたってシンプル。チャールズ1世を処刑した後の、議会派の司令官の娘エルビーラと王党派の騎士アルトーロの恋愛をめぐる話なんだけれども、ロミジュリのように、無理やり彼らを引き裂くものは無く、周囲に認められて結婚にこぎつくも、アルトーロの王党派としての忠誠を彼の心変わりと勘違いして、混乱(というか発狂)するエルビーラを中心とした、でもハッピーエンドなちょっと無理が多い話(笑)

こんなもともと情緒不安定な若い乙女が主役だから、ディアナ・ダムラウさんのちょっとToo much過ぎる演技も、納得できると言えば、確かにそうなんだけど、

正直言ってスっごく浮いてる(-_-;) 

他のシンガーが歌ってるときに、彼女の演技が邪魔に思えてしまうのは、私だけなのかしら?と思いながら聴いていたけど、幕間では、常連のおばさまたちg「TOO MUCH ACTING! 演技がおおげざ過ぎるわよ~!」とお怒りの声もチラッと(^^;)。しかも、歌ってる時も感情を込め過ぎてるというか、それだからか?声をプッシュしすぎてるというか…???という箇所も度々。

常に動いてるダイアナさん (イメージ:Metropolitan opera より)

だいたい、ベルカントとは19世紀前半のロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニのイタリアオペラを中心とする、広い音域、美しいレガート、声のしなやかさ、さまざまな装飾歌唱技術法を伴う歌唱法の意味。彼女の歌い方は、トラディショナルな考え方からいくと、足りないところを演技でカバーという感じがぬぐえ切れない…

でも、若い観客はスっごく喜んでましたよ~。彼女のアプローチは若い世代に受け入れ易いんでしょうね。新鮮と言えば、そうだし、演技がはっきりしてるから、ストーリーもよくわかる。でも音楽をしっかり念入りに聴きたいオールドファッション派は、違和感を感じるのだと思います。

Metropolitan Operaより

私は、オールドファッション派だけれども、でも観客開拓のバックグラウンドがあるので、新しいアプローチで若い観客を引っ張れるディアナさんのようなシンガーはこれからのオペラ界に大切なんだと思います。個人的には、ファンではないのですが(笑)

ディアナさんが1月に歌った、グノーの『ロミオとジュリエット』とは、どの批評を読んでも、最高の賞賛を得ていました。そして、彼女の夜の女王(モーツアルトの魔笛)は、画像もオンラインで観れますが、すっばらしいです。

それを思うと、音域は素晴らしいけど、じつはベルカントはあまり向いてないのでは。。。と思ってしまいました。

ご本人も一番歌いたいのはモーツアルトとシュトラウスだそうです。(さすがドイツ人☺)

『清教徒』の感想は次回に続きます・・・本当に書きたい事は、テノールのアリアなんだけど~(笑)

オタク文で失礼しました^^;

https://youtu.be/1sy_uUpcba8?t=7m44s

こちらは、マドリッドのテアトロ・レアルでの清教徒。ダイアナさんはこの日不調だったらしいです。なのに挽回する画像がないのが、不思議。

 

https://youtu.be/UXOYcd6KZ0E

こちらは彼女が最も得意としてる(?)『魔笛』の夜の女王。ロイヤルオペラハウス

コリンデイビス指揮

こちらも夜の女王。おまけです。ムーティ様が指揮なので(笑)ザルツブルグフェスティバル
An Introduction to the Operaオペラへのご招待 オペラ講義@ハリソン式部会 第3回

オペラクラスもついに3回目を迎えました。毎回、素晴らしいオペラのアリアと、貴重な映像と共に、皆さんをオペラの世界にご招待してきました。

思ったよりオペラって難しくない!絶対家族と観に行く!というとっても嬉しいご感想をいただいて、3回目もよりオペラの魅力をご紹介します!

日時:3月15日(水曜日)10時15分から3時間程度

場所:ハリソン式部会(お申込み後、住所をお知らせします)

内容:オペラに一番大切なもの「声」について。オペラの声の種類から、

歴代のスター歌手から現在必見(必聴)のシンガーについてお話しします。

4月5月のメットの演目、来シーズンの演目について。

費用:$50 (講座で聴く音楽のCD, お茶とお菓子付き)

お申込みanintroductiontotheopera@gmail.com までお願いいたします。

キャンセルポリシー:講義当日3日前~24時間前迄のキャンセルは50%、

それ以降(24時間以内)は100%請求させていただきます。

その場合、CD,資料、リンクなどすべてお送りいたします。

代理の方の参加も可能です。

 

 

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